むつざわだより

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隠れた名品を見に、歴史民俗資料館へ!

隠れた名品を見に、歴史民俗資料館へ!

こんにちは、未来ラボのかおりです。

睦沢町にある歴史民俗資料館に、なかなかの名品が展示されているという噂を聞き、取材に行ってきました。
仏像にも歴史にも疎い私だけでは心許ないので、歴史好きの友人・石川さん(いすみ市にある星空スペースの店長さん)にも同行いただきました。

※ 普段は撮影禁止ですが、特別に許可をいただき、展示の様子を撮影しています。

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睦沢町立歴史民俗資料館には、町の歴史や文化を学べる貴重な有形民俗資料のほかに、県指定の有形文化財など古寺に伝わる仏教美術品を常設展示しています。

常設展示の仏教美術品は、如来像、観音像、不動明王像、毘沙門天像といった仏像から、閻魔王像と奪衣婆まで、さまざま。房総でも最古級の不動明王像や普通の如来像では見られない宝冠阿弥陀如来など、一見の価値があり、どれも展示位置が近いので、細部まで鑑賞できます。

▼毘沙門天にふみつけられた邪鬼。表情までも見ることができます。
歴史民俗資料館

▼阿弥陀如来の納衣に施された細かい装飾も必見。(クリックで拡大できます)
歴史民俗資料館

▼椅子にすわってゆっくり鑑賞できます。
歴史民俗資料館

お寺に祀られている仏像は、遠くから手を合わせて拝むだけということが多いですが、ここでは角度を変えてみたり、近くで見てみたり、遠くから眺めてみたりと、じっくり鑑賞できるのも魅力です。

如来、菩薩、明王、天といった仏像の種類による違いだけでなく、作られた時代によって表情や印象が違っていたりするのも興味深く、仏像について勉強してくればよかったと後悔、、、
仏像に詳しい方なら、もっともっと楽しめるのではないでしょうか?

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仏像の他にも、島村圓鉄(房総で有名な波の伊八のルーツとも言われる名人彫物師)の作品が常設展示されています。

▼観明寺旧本堂向拝手挟彫刻「牡丹図」
歴史民俗資料館:島村圓鉄

陰影が引き立つようなライティングが施してあり、立体感などを堪能できる展示になっています。
これをお目当てに来訪される方も多いとか。確かにこんなに間近で鑑賞できるなんて、贅沢ですね。

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お隣は、特別展「旧家に伝えられた名品」の展示。
今回展示されている品々は収蔵品ではなく、普段は一般公開されることがない家宝だそうです。
書や篆刻、絵画、掛け軸など種類も豊富で、見応えのある展示でした。

▼齊藤巻石の「離合山水図屏風」について久野館長と語りあう私たち。
歴史民俗資料館

一幅ずつ見ても山水図で、全体を通してみても一つの山水図にもなる、趣のある屏風絵です。
齊藤巻石(けんせき)が九十九里の大網元の次男であるというところも興味深い一品です。
作品が生まれた時代の背景など詳しい解説してもらえると、また違った視点で作品を鑑賞できて嬉しいですね。

▼丁寧に作品の説明してくださる山口さん。
歴史民俗資料館

「これは私のお気に入り。お酒が大好きなんですよ!」と、チャーミングな一面も。
「有酒盈樽」-樽にいっぱい酒がある-。確かにお酒好きにはたまりませんね。
先の斉藤巻石と縁戚関係にある石井雙石(そうせき)の作品で、東京大学印なども彫られた著名な篆刻家だそうです。

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書や篆刻、水墨画や版画、紙塑人形など、展示物もさまざまではあるものの、統一感もあり、居心地のよい空間でした。
気合いを入れて、美術品をみにいく!という感じではなく、骨董品屋さんに行って自分のお気に入りを見つける、そんな気持ちで行けるのも、この特別展の特徴かもしれません。

そして、なんといってもゆっくり時間をかけて自分のペースで作品を見ることができる、これに尽きます。
ゆったりとした時間が流れているむつざわならでは。
私たちも時間を忘れ、作品を見終わった時には2時間を越え、外はすっかり夕暮れでした。

ちなみに、同行した仏像好きの石川さんの御眼鏡にかなった仏像はこれ。
▼不動明王立像。
歴史民俗資料館:不動明王立像

睦沢町下之郷にある弘行寺の本尊。2009年に破損していた頭部や腕を修復したそうです。
平安時代作で、頭や手・足のバランスなどが自然。かなりの腕前の仏師の作といわれるとおり、小さいながら迫力がありました。

普段は資料館にあるこの不動明王像ですが、1/29(日)に弘行寺で行われる「新年初不動大護摩祈願」では弘行寺本堂で特別に参拝できます。

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展示物について気になることがあれば、ぜひ、学芸員の方に声をかけてみてください。
運が良ければ、作品の隠れたものがたりなど、一辺倒の解説ではないお話が聞けると思います。
ちなみに、12月~2月の午前中は社会科見学などで訪れる方が多いので、ゆっくり作品をみることができる午後がオススメだそうです。

現在の特別展「旧家に伝えられた名品」は2/12まで、次回は3/4から「再生する名刀の美-GHQ接収刀剣展-」の展示が始まります。
また近くなったら展示物の紹介をしたいと思います。

資料館の裏手にある瑞沢川沿いはお散歩コースになっていて、夕焼けの素敵なスポットもありますので、お散歩がてら、芸術に触れる一日をすごしてみてはいかがですか?

歴史民俗資料館
開館時間:午前9時~午後4時30分
休館日:月曜日、館内整理日、年末年始(12月28日~1月4日)
お問い合わせ:0475-44-0290

kaori KOBAYASHI

kaori KOBAYASHI
職業:マーケティングストラテジスト(東京)/カフェ経営(睦沢)

東京都出身。睦沢町大谷木にある「里山カフェ&ゲストハウス sou」オーナー。週末は睦沢でカフェを営業しながら自然と寄り添う生活を、平日は東京でデジタルな仕事をこなす「二地域居住」を実践しています。