むつざわライフ

このコーナーでは、むつざわで出会ったさまざまな人に
むつざわでの暮らしについて、インタビューします。

むつざわの米づくり「岩井地区」編
Vol.006

むつざわの米づくり「岩井地区」編

「森の養分をたっぷり含んだ豊富な水と、粘土質の土壌で、コシと粘りのある美味しいお米が、収穫できます。」

  • 中村さん、石井さん、村杉さん、岩井第二営農組合
  • お住まい:睦沢町岩井

*一宮駅から、県道148号線の住宅街を通り、85号線をいすみ方面へ車で10分ほど走ると、そこは、のどかな田園風景が広がる岩井地区。「祝郷」とも呼ばれたと古い記述にあるように、ここは自然の幸に恵まれた美しい里山です。

周囲を小高い山々が囲み、谷津田(やつだ)と呼ばれる水田が広がっています。山の一角には平安後期に栄えた上総介広常(かずさのすけひろつね)の居城の趾や、その山門があったと伝えられる場所には妙勝寺があります。
また、中心部の丘陵地の森林には、大同元年(806年)創建と伝えられ1200年以上の歴史を誇る、鵜羽神社が祀られています。

「谷津とは、丘陵地の縁辺部が長い時間をかけて侵食され形成された谷状の地形で、集水域のため湧水が容易に得られ、しかも洪水による被害を受けにくく、排水さえ確保できれば稲作をしやすい土地であった。よって古くから稲作が営まれており、中世までに開発が進んでいた」(wikiより)とあるように、この辺り一帯も古くから稲作が盛んに行われてきました。

そんな森の養分をたっぷり含んだ豊富な水と、粘土質の土壌では、コシと粘りのある美味しいお米が、収穫できます。
田んぼには、カエルやサンショウウオ、サワガニなどたくさんの生き物がいて、それを餌にしようとサギもたくさんやってきます。
水が綺麗な証拠に、蛍の幼虫の餌になるカワニナもたくさん生息していて、5月後半になると源氏ボタルが飛び回り、その後、夏には平家ボタルが楽しめます。

反面、森林が近接する谷津なので、区割りも細かく、土が柔らかく深くもぐりやすい土質のため、大型機械を入れるのが難しく、大規模な農業に適しているとはいえません。
また、東京へも1時間半ほどの通勤圏でもあり、この地区で稲作をする人の殆どが兼業、または自給的農家です。

そんな地区だからこそ、美味しい米は丁寧につくられています。
この場所で、先祖代々、米づくりを続けている岩井地区の人々をご紹介しましょう。皆さん、とても穏やかで優しい人ばかりです。


こちらは、神社の目の前の田んぼの持ち主、バス会社「睦(むつみ)観光自動車」の村杉さん。時間があると、田んぼに出ている村杉さんの畦(あぜ)は、綺麗に真っ直ぐに整えられ、「村杉さんの仕事は、本当に丁寧だ」とこの辺りでも評判で、周囲の草刈りも欠かしません。そして、いつも優しい笑顔で挨拶してくれます。


コンバインを慣れた手つきで操る石井さんは、隣町の市原市に仕事とお住まいがありますが、休日になると、岩井にある実家に駆けつけて、稲作を手伝い、鵜羽神社のお祭りなどにも娘さんたちと参加しています。



岩井地区で唯一、専業で農業を営む中村さんは、6ヘクタール、48枚の田んぼで、こだわりの有機栽培法による「中村米」をつくっています。とっても気さくな中村さんにはファンも多く、殆どのお米を直接販売しています。田んぼで見かけたら、声をかけてみてください。そのこだわりについて、たっぷりと解説してくれます!
お米のほかに、のし餅(白米・玄米)、味噌、梅干し、麹、米粉なども販売しています。
連絡先:中村善則 Tel&Fax 0475-44-1020

長きにわたり、続いてきた稲作ですが、地区でもやはり後継者が少なくなっています。そこで、個人で続けていけなくなった田んぼを預かり、地区として共同で稲作を続けていこうと昨年「岩井第二営農組合」が設立されました。

睦沢町広報「むつざわ」平成28年3月号より

営農組合のメンバーは、鵜羽神社の氏子でもありますから、岩井地区で収穫したお米を毎年、鵜羽神社に奉納しています。
9月8日から10日にかけて行われる「十日祭(とおかまち)」は、町指定の無形民俗文化財で「上総十二社祭り(千葉県無形民俗文化財)」の重要なお祭りの1つです。

1200年以上に渡って、鵜羽神社を祀ってきた岩井地区の人々


昔ながらの里山が今も残る岩井地区で開催されている「1人1年分の米づくりワークショップ〜週末だけの作業で米づくり体験〜」が、睦沢町の平成29年度の「ふるさと納税」の対象となりました。
岩井第二営農組合とワークショップを主催してきたトランローグが、参加者のサポートをします。

【1人1年分の米づくりワークショップ概要】
「米づくりを楽しみたい方」「将来自給自足に挑戦してみたい方」を対象に、約165㎡の田んぼで、日本人1人1年間の平均消費量と言われる約60㎏の収穫を目指し、田植えから草刈り、稲刈りまで無農薬・有機肥料かつ手作業による米づくりを体験いただき、収穫したお米全てを差し上げます。作業は、4月末から9月初めの週末に、9回程度を予定しています。

1人1年分の米づくりワークショップ〜週末だけの作業で米づくり体験〜
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インタビューを終えて

あなたもこの癒しの里山にかよって、岩井地区で米づくりを体験してみませんか。

取材・写真:kazuko SUGITA